会社代表:役員、プラント長、担当部長

 あらゆる組織レベルにおいて、その組織がリスク状況に直面した時、組織のトップ(社長、役員、工場長など)がどう対応するかが、 非常に重要な役割を果たします。最高責任者の対応ひとつで、立ち直った企業もあれば、取り返しのつかないダメージを受けた企業もあります。 (⇒ 経営層によるRC事例)

 よいコミュニケーションを行うためには、計画やプログラムづくりなど準備が重要です。 そして、これらを実行できる有能で経験のある人材、コミュニケーションに携わる一流の役員やスタッフが必要です。

 高い能力と豊富な経験をもった人材をコミュニケーション部門に配置しましょう。 そして、コミュニケーションに関する経営方針について助言をしてもらい、それを聞き入れていきましょう。

 あなたが組織のトップであったり、リスク問題に関わる要職についていたりすれば、 様々な時間に多様なメディアや人々とコミュニケーションをしなければなりません。 しかし、あなたの役割が最も重要となるのは、何かの問題が起きたとき、緊急事態のときです。 問題が起きた時、人々は組織の責任ある人から話を聞きたいと思います。あなたの代わりに役職の低い職員を送ってはいけません。

 組織の長として、あなたは人々の前に出て行く用意を常にしておくこと、人々やメディアに対応する自信をもつことが大切です。

あなたの組織の信頼は、人々があなたの言葉を信用するかどうかにかかっているといっても過言ではありません。隠し事をしてはいけません。 リスク状況の情報はできるだけ早く完全な形で発表するよう努めましょう。

あなたが信頼されるためには、組織全体がリスク・コミュニケーションについて明確な方針とリーダーシップの下に、 一丸となって協力することが必要です。コミュニケーションの成否は、単なる広報活動ではなく、 あなた自身の経営者としての能力が問われるものといえるでしょう。(→ RCにおける組織問題経営層によるRC事例)

事前

  • 技術的な問題では特に技術専門家に話の内容の正確さを検討してもらっていますか?
  • 住民やメディア、特にテレビ局にどう対処するかの訓練コースを受講していますか?


直前

  • 説明することになっているリスクについてよく理解していますか? 何を伝えなくてはならないかについて絞り込んでいますか?
  • 情報はわかりやすく簡潔に整理されていますか?
  • 発表の練習をしていますか?

 違う部署からコメントをもらうのもよいでしょう。あなたの話し方の長所と短所を認識しましょう。話す内容を暗記してはいけません。



期間中

  • 誰に話すかによって、聴衆が地域社会の場合や、メディアに話す場合を読んでおきましょう。


事後

  • コミュニケーションの成果について意見を求めましょう。



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