メディア別チェックポイント

会話を使う

「会話を使う」方法とは

 一対一の会話から小グループでの討議、講義、さらにラジオを使ったメッセージの伝達の方法です。

【話し言葉メッセージ作成の留意点】

□ 要点をまとめた短い資料などを用意しましょう。


□ 場所、音響、照明、温度へ気を配りましょう。よい環境は受け手からの信頼に影響を与えます。

  • 場所:一長一短といった場所はやめ、よい印象だけを与えるような場所を選びましょう。設備がよいからといって、利害関係者の施設を使うのは最悪です。
  • 服装:受け手と同じような服装をしましょう。
  • 音響・照明:部屋の一番後ろの人にもはっきり聞こえる音量にし、あまり照明を暗くしないようにしましょう。暗すぎると受け手が眠ってしまいますし、受け手の反応がわかりません。万一に備えて電球のスペアや延長コードを用意しましょう。
  • 温度調節:暑すぎたり、寒すぎたりすると、不快感が敵意に変化してしまいます。

□ 視覚的な材料によって話の内容をわかりやすくしましょう。ただし、部屋の後ろでも読めるものでなくてはなりません。


□ 受け手と同じ言葉で話しましょう。

  • 例えば、メートル法に慣れない人々にメートル表示で話すと、人々は興味を失うか、記憶に止めないか、換算のために話の内容が理解できなくなってしまいます。
  • 下手な方言は、地元の人々を不愉快にさせる場合があるのでやめた方がよいでしょう。

□ できない事を約束しないようにしましょう。

  • 質問への対応は、自分ができる範囲を考えながらしましょう。後で伝えると約束して、忘れてしまったり、組織から情報提供を拒否されたりした場合、受け手からの信頼は大きく崩れてしまいます。約束は破らないことです。

【話し手の選び方】

 会話を使う場合,メッセージの内容だけでなく,「誰が」話すかによって受け手の理解や納得度が変化します。 受け手と組織(送り手)双方にとって、望ましい人を話し手に選ぶことが必要です。

□ 受け手から認められ、信頼されている人でしょうか?

  • 受け手から信頼されている人で、人々の関心を受け止めることができる人ですか?
  • リスクの専門家や管理者など多様な専門家を集めたチームを編成するのは、望ましくありません。人々は、大勢の専門家が自分達を丸め込もうとしていると感じるかもしれませんし、一人の話を次の話し手が否定するなどの不一致は受け手の信頼を損なうからです。
  • もし、多様な専門家を使うのなら、パネルディスカッション形式がよいでしょう。それでも専門家が一様に同じことを言うと、結託しているという印象を与えかねません。
  • 信頼され、情報提供の権限をもち、かつ話し上手な人物一人に任せるのがベストです。

□ 組織から認められている人でしょうか?

  • 組織の代表者として認められている人物でなければなりません。
  • メディアとのやり取りでは手厳しい質問などもあるので、適切なトレーニングを受けている人がよいでしょう。
  • 組織についてよく理解していることも必要です。

□ 本当にふさわしい人物を見つけていますか?

  • ヘルスケアの専門家(医師や看護婦など)は人々に信頼されており、技術的な質問にも答えることができますが、あなたの組織のことには不案内で、多忙すぎるかもしれません。組織内の専門家は組織のことはよく理解しているでしょうが、あまり人々から信頼されません。外部の専門家は信頼されるかも知れませんが、組織を代表するにはふさわしくないかもしれません。とにかく、ある組織に属している人が、その組織のことについて伝えるときには信頼は割り引かれてしまいます。広報部も同様であり、話す技術には長けていても、人々には信頼されません。伝える内容の深刻さやあなたの組織の信頼を考慮して適切な人を選びましょう。

□ 経験のない話し手の訓練をしていますか?

  • もっともふさわしい話し手が、ほとんど経験のない場合もあります。様々なアドバイスをし、話し方の指導をしましょう。誰かが書いた内容を伝えさせようとするのではなく、話し方の基本をアドバイスするのがよいでしょう。また、十分な経験を積んでいたとしても、練習するに越したことはありません。

【マスコミとの付き合い方】

 行政・企業や科学者・技術者の中には、ニュースメディアが人々の敵意や誤解の元凶であると考えている人々が多いようですが、 それは誤解です。センセーショナルな話や重要な科学技術を正確に伝えていない記事は、人々の関心を高めるために使われているだけですし、 人々の情報源はニュースメディアだけではありません。また、ニュースメディアだけが誤解の源でもありません。 ニュースメディアは広く情報を提供するツールと捉え、人々の関心を高めるために効果的に使っていきましょう。


【ニュースメディアを活用する場合の留意点】
(→聴衆がメディアの場合も参照してください)

□ ニュースメディアにあなたやあなたの組織と同じような関心・知識を求めてはいけません。


□ ニュースメディアのニーズに対応し、彼らが求めている情報を提供しましょう。(例えば彼らは時間に追われているので、迅速さが求められます。)


□ 基本的な単位や用語解説など、理解を助ける資料を用意しましょう。


□ 担当の記者は数年で変わります。定期的に基本情報を提供しましょう。

  • 場合によって普段とは異なる部署の記者が担当する場合があります。例えば、事故の時は科学部ではなく社会部の記者が中心になります。普段と異なる記者には特に基本情報が必要です。

□ 重要なレポーターとの関係を築きましょう。

  • 日常的に情報提供をし、意見交換をしていれば、彼らは極端な記事を書きはしません。



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