メディア別チェックポイント

紙媒体を使うとき

紙媒体とは

 ニュースレター,パンフレット,ブックレット(冊子),ファクトシート,技術レポート,新聞や雑誌の記事など,情報が紙に印刷されているものです。 ポスターや広告など視覚的に訴えるものは,別に説明します。



【紙媒体メッセージを作成するときの留意点】

□ 次のような情報が含まれていますか?

□ リスクの本質:リスクとは何か、だれのリスクなのか
□ リスクを避けるもしくは低減するためにできること(または行うべきではないこと)
□ 不確実性(リスクだけでなく、リスク評価自体の不確実性も考えること)
□ リスクマネジメントの方法
  • 受け手自身が決定できることは何ですか?
  • 受け手と組織によって決定されるものは何ですか?
  • 緊急時には行政判断を加えましょう。
□ リスクに伴うベネフィット
□ 質問や問い合わせに対応する人や部署の名前や電話番号など
  • どのような情報があるのかのリストを添付すると、なおよいでしょう。
  • できれば24時間体制で電話に対応できるようにしましょう。
□ 受け手ができる事柄:効力感を与えることが重要です。

□ わかりやすい要約をつけていますか?

目的と内容をよりよく理解してもらうために有効です。

□ 次の点にも気を配りましょう。

  • もし20ページ以上になるなら、略語や専門用語の解説を加える方がよいでしょう。
  • 言葉や単位は受け手が通常用いているものを使いましょう。
  • できるだけ科学技術記号には注釈を入れましょう。(知っている人は読み飛ばします。)
  • もし40ページ以上になるなら、索引を加える方がよいでしょう。
  • 他にどのような情報があるのか、他の機関の情報も掲載すると、なおよいでしょう。

□ メッセージの構成は、まず全体像がわかり、その後詳しい内容が記述されるようにしましょう。

決して、突然計算の話などを始めないようにしましょう。

□ 言葉や表現では次のことに気をつけましょう。

  • 決定がなされていない時に断定的な表現を使わない。条件付きの表現とする。
  • 推測を事実のように述べない。特にシミュレーション結果の表現には気をつける。
  • 科学技術用語や数学的表現、特定の専門家が使う表現を避ける。
    例)LNG、放射線=光(放射線を光と例えるという意味)、運開
  • 通常の意味と異なるような表現を使わない。もしくは定義して使う。
    例)
  • 差別的な表現を使わない。

【形態別留意点】

物語的表現スタイルの留意点

 ストーリー(物語)による説明は、受け手を引き付け、読み続けさせることのできる表現方法です。 しかし、受け手は架空の話だとみなしてしまうかもしれません。

物語形式を使うときには、
1) 受け手に関係のあるメッセージにし、自分自身の問題だと認識させる
2) 現実の問題だと考えさせる
ことに留意し、プレテスト(事前テスト)等を通してよく練り直しましょう。

ニュースレターの留意点

 ニュースレターは、固定した関心の高い受け手に継続的に情報を提供する場合に適した方法です。

<作成上の留意点>
□ 初期段階での十分な協議…関係者と十分な時間をかけ、何を伝えるかを協議しておく。
□ メイリングリストの作成と更新(正確なリストを維持することが必要)
□ 読み手は好きな所しか読まないので、略称や略語は極力避ける。
□ とにかく"読みたい"と思わせる内容にする。
□ シリーズ化する場合には、情報の一貫性に留意する。(レイアウトやシンボルを統一するとよい。)

パンフレット、ブックレット、ファクトシートの留意点

 情報量に制約があるため、リスクのある一面だけを短期に1つのメッセージとして伝える場合に適している方法です。

<作成上の留意点>
□ 受け手の1つのニーズに対応する短いメッセージにすること。
□ それだけで大体の情報が把握できること(自己完結性):問合せ先は必ず明示する。
□ 関連情報をシリーズ化する場合は、視覚的な一貫性を持たせ、親近感を与えること。
□ 受け手の生活の場に届ける工夫をすること。(ダイレクトメールで送り付けるよりも、自由に取っていける形式が望ましい。)

(新聞や雑誌の)記事の留意点

 新聞や雑誌の記事は多様な受け手へ伝えるのに効果的な方法です。しかし、専門誌以外の記事内容をあなたの思ったとおりにすることはできません。

 記者やジャーナリストは、リスクについてよく理解していない上に、注目されることしか考えていない場合があります。

<作成上の留意点>
□ その新聞や雑誌の読者層を把握すること。
□ 一般の新聞や雑誌よりも専門誌に掲載する方が望ましい。



技術レポートの留意点

 技術レポートの場合、受け手はすべてのデータを欲しがるので、事前に提供可能な情報がどの範囲なのかについて、 十分な検討が必要です。また、専門家から素人までの幅広い知識度に応じたメッセージを用意する必要があります。




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