手続きを簡素化した米国国立研究所の事例

 例えば、米国の国立研究所ではすべての技術情報を公表するための詳細な審査と承認手続きを定めており、 この手続きは少なくとも9つ以上の審査と署名を必要とし、さらに研究所の資金源であるエネルギー省による審査と承認が必要でした。 この手続きは、革新的な研究開発として検討段階にある技術情報が時期尚早に外部へもれることを防ぐために設けられたものです。 しかし、社会の要請によって、研究所は独立機関として、人々が過去どのくらいエネルギー省関連施設からの放射性物質の放出に 晒されているかを示すことを求められました。市民の目からみた独立性を維持するためには、研究所はできるだけ早く情報を出すこと、 時には検討データについても公表できることが必要になりました。また、多くの市民や環境団体が、偏りのない結果を出すとは信じていなかった エネルギー省から離れていることを示す必要もありました。こうした問題点を認識して、この研究所は、受け手に対する効果的なコミュニケーションのために、 内部の審査プロセス(より少ない署名とエネルギー省の許可を必要としないもの)をつくったのです。