リスク・コミュニケーションの心得

 リスク・コミュニケーションについて理解しても,実施に躊躇するかもしれません。 次の表は,リスク・コミュニケーションを実施しようと考える人の心得です。 左側は多くの人々の心に浮かぶ言い訳です。あなたの心の中の言い訳と同じものがありましたか?  それに対する回答は右の欄の同じ番号のところに示されています。

よくある言い訳やるべきこと
1.時間も金もない1.最初から住民参加の時間と費用を考慮すればよい
2.恐怖を喚起するだけだ2.人々が何に関心があるかがわかれば恐怖感を弱めることができる
3.教育が大切3.自分の説明の仕方を反省しよう
4.解決策が見つかるまでは伝えるべきでない4.解決策を見つけるために人々と話し合い、共に考えよう
5.人々は到底理解できない5.理解できないことと受容できないことは分けて考えるべき(理解したからといって受容するわけではないし、受容しないからといって理解できないわけではない)
6.技術的な問題は技術者に任せるべきだ6.情報を提供し、人々の意見に耳を傾けよう。政策決定には多様な背景があることを認識しよう。
7.人々の要求には際限がない。だから要求に応じない。7.一歩譲れば、それ以上求められることはない。早い段階から人々を参加させよう。
8.大した脅威でもないのに多大な資源を投入することになる8.とるに足らない問題に関わらないためにも早くから人々の意見に耳を傾けよう。
9.市民団体は人々の関心をあおるだけだ9.市民団体は人々の怒りを代弁しているのだ。対立するより協働しよう。